日本訪問看護認定看護師協議会

中四国ブロック企画、新任訪問看護師研修会
「訪問看護のための判断力トレーニング/3回コース」が
8/6㈯、9/3㈯の2回開催されました!

開催方法:Zoomミーティング
講師:佛教大学保健医療技術学部看護学科在宅看護 清水奈穂美先生(内部講師)
参加者数:24名(新任訪問看護師22名・ファシリテーター/中四国ブロック訪問看護認定看護師2名)

第1回 訪問看護に必要な「判断力」と判断力を鍛える方法「臨床推論」
2022年8月6日㈯ 13:00~16:00

働き始めた経験の浅いスタッフに、訪問看護師の判断に必要な臨床推論を学んでもらおうと
清水先生の研究を兼ねてのこの研修会は「3回すべて受講」が参加条件のため、
中四国ブロックメンバーからは2名がファシリテーターとして参加しました。
研修目的は“訪問看護師の判断力に必要な臨床推論を理解し、自身の思考パターンに気づくことができる”
訪問看護師に必要な判断力、判断力を鍛えるための臨床推論について座学での講義。
相手の反応がわかりにくいオンラインも、自分の考えをZoomのチャット機能を使って伝えることで
学びを共有することができ、とても良い学習方法だと感じました。
グループワークでは、乳がん再発骨転移のある療養者の事例を通し、
痛みや下痢が続いている現在の状態からどんなことに気づいたか、何故そう考えたかという理由について
意見を出し合いました。見えないことを推論する力をつけるためのトレーニングでしたが、
参加者は楽しく積極的に学ぶことができていました。


参加者の声——
受講者
・事例では自分の思考の偏りに気づき、幅広く見れていなかったことに気付けた。
・病気や薬の知識が不足していると感じた。
・みんなのさまざまな考え方を聞き勉強になった。

ファシリテーター
・受講生の司会者にどこまで任せたらいいのか迷った。
・ある程度助言をして方向性を正さなければ結論まで至らない。
自分自身の勉強不足を感じた。

ファシリテーターとして参加しましたが、
新任看護師のみなさんが様々な視点で療養者を見ていることがわかりとても驚きました。
経験の長い私達の方が思考に偏りがあるように感じ、共に勉強できることはとても刺激になりました。

第2回 ケースから学ぶ訪問看護師の臨床推論と看護実践
2022年9月3日㈯ 13:00~16:00

研修目的は“訪問看護実践の模擬事例を通して、自身の思考プロセスを言語化できる”です。
前回の研修では、訪問の場面で気づいたことについて自由に意見を出し合いましたが、
今回は他者に伝えられるように、自分の思考プロセスを言語化するトレーニング。
講義では、訪問看護における認知バイアスや訪問看護師の思考サイクルについて学びました。

一人で訪問するからこそ、理論や信念に基づき自分で実践して、それを語る力が
いかに必要か、が理解できたと思います。


グループワーク1は
ケアマネジャーから「療養者の状態を電話で伝えられ、様子をみてもよいか?」
と問われた事例を通して何が起こっていると考えられるのか?
ケアマネジャーにどのように伝えるかを、目に見えていることだけでなく、
見えないことを推論、活発に意見交換を行いました。

グループワーク2は
事例の経過について説明を聞き、今後多職種からどのような情報を引き出し、
その情報からどんなアクション起こしていくか検討しました。
療養者、家族にとっての最善解を導くために臨床推論を活用しましたが、
さまざまな意見がある中、自分の考えたことに根拠を持たせて他者に伝えること、
情報をつないで結論を導いていくことの難しさを体感できたのではないか、と思います。


参加者の声——
受講者
・訪問看護師として、利用者の状況を点でみるのではなく「生き方そのものを支える」という視点で、
 色々な角度から推論していくことが大事であることを学んだ。

・自分の思い込みから判断を誤り、療養者に不利益が生じてはいけないと感じた。
・自分の考えを言葉にすることで、他者から支援をもらうことができるということがわかった。
・生き方を支えるには訪問看護だけではなく、多職種の力が必要であり、
 共通理解ができるための方法を考えることが必要だが難しいと感じた。

ファシリテーター
・見えないことを推論することについては、たくさんの意見が聞かれ、
 あらゆる方向から考えることができていた。
・多数の情報が出てきたが
「その人にとって今何が必要なのか?」
 絞り込み重点化することが難しかったように感じた。


2回の研修で、前回と同じメンバーでグループワークを行ったため、
それぞれがしっかりと考え、発言することができていました。
他者の意見を聞くことで、自己の考えを客観視し、思考プロセスを振り返ることができていたように思います。

次回10月15日には、参加者それぞれが判断に迷った事例をまとめてくることになっており、
個人ワークを通し学びが深まることを期待しています。


中四国ブロック 尾﨑美智

JVNCNA事務局
tel:03-5778-7008
fax:03-5778-7009
mail:kyogikai@jvnf.or.jp

ページトップ