6/11㈯ 第9期定時総会&同時開催研修会が開催されました!
当日表参道は梅雨の曇り空。
窓の外に新緑を望む日本訪問看護財団会議室から、Zoomライブ配信による
第9期定時総会及び同時開催研修会を開催。
定時総会では、総会開催要件を十分に満たすご出席をいただき、無事終了!
続けて開催した同時開催研修会では、お仕事のあと急ぎご参加くださった方々も含め、
合計102名が集いました。
忙しい中ご出席くださったみなさん、委任状をくださったみなさん、
ありがとうございました!

「ただいまより第9期、2022年一般社団法人日本訪問看護認定看護師協議会定期総会を開催いたします」
と、総合司会の佐々木理事による開会宣言。そして大橋代表理事のあいさつ。
「みなさま、土曜日のお昼ですけれど時間をつくってくださいまして、ありがとうございます。
コロナの関係で今年もオンラインとなっておりますが、皆様来年は10周年でございます。
ほんとはこうやってマスクをはずして笑顔を見せてお話しさせていただきたいのですが、
ここには10人いらっしゃいますので…」とマスクを外す一幕も。
現在の正会員数は335名。
本日は、会場出席者8名、オンライン出席者は76名、委任状147名、出席総数231名となりました。
この度の総会に必要な定足数を十分満たすことができ、「本総会は成立したことを報告いたします」と佐々木理事。
議長には大橋代表理事が選任され、議事録署名人は関東ブロックの山田富恵さん、近畿ブロックの田端志普さんが
指名、承認されて、本議題へと移りました。
第1号議案 第8期(2021年度)事業報告及び収支決算報告・監査報告承認の件
第2号議案 第9期(2022年度)事業計画(案)
第3号議案 第9期(2022年度)収支予算(案)
第4号議案 任期満了に伴う役員改選(案)の件
第5号議案 定款一部変更(案)の件
追加議案 昨年度実施した在宅看取り研修事業の追跡調査実施の件
議案は廣川副代表から説明され、議案ごとに承認・否認の投票を実施。
すべての議案は全会一致で承認され、可決しました。
続いて、近畿ブロック田端氏の司会で
「それでは中四国ブロック会員の久田玲子さんよろしくお願いします」と研修会がスタート!
徳島大学大学院医歯薬学研究部、看護リカレント教育センター特任助教の久田玲子氏による
『2021年度訪問看護認定看護師 更新申請の情報提供』は、
レポートの書き方、ポイントとなる研修について、実践報告書の作成などなど、
実践的具体的情報は、これから更新予定のみなさんにとって非常に役に立つものでした。
参加できなかった方、もう一度確認したい方に向け、近日会員ページに資料をアップする予定です。
引き続き、『ケアの質評価/改善、取り組みの現状と今後について』と題して
東京大学大学院医学系研究科 健康科学・看護学専攻、高齢者在宅長期ケア看護学分野助教、角川由香氏の講演。
自己紹介の後「私のことを紹介したので、今度はみなさんのことを少し教えてください」と
QRコードがスクリーンに表示されそれを読み込むと、角川氏の質問が開いてその場で参加者が回答、
集計結果が画面に瞬時に表示されるという、スマートな流れにちょっとびっくり!
「8割くらいが訪問看護師さん、2割はそうじゃない方ですね!
管理者さんが7割、スタッフさんが3割くらいですね!」
と参加者を把握されて本題へ—
選ばれるステーションになるための「ケアの質の保証」をどうやって担保していくかをテーマとし、
データや海外の取り組みをもとに多岐に渡る情報といっしょに、
チャットでの意見交換や、グループディスカッションで考える参加型の講演。
海外では、ケアの質評価/改善に取り組む在宅医療機関を、ミシュランガイドのように星の数で評価され、
それが利用者数に反映されているとのこと、「マジですか?!」
と心の中でツッコミを入れてしまったのはナイショです。
「ホテルやレストラン、商品ならいざ知らず、在宅医療を星の数で選別って!」
と思った方は私の他にもいらっしゃったことでしょう。
しか〜し、難しいながらも『ケアの質評価』に取り組むことは、
利用者とステーション経営とそこに働く看護師の三方良しであるとして、
その難問にチャレンジすることを角川氏は提案されました。
そして角川氏が所属する研究グループが行った、1年間の前向きコホート研究結果で、
● 訪問看護利用群は非利用群と比べ、問題事象の発生が少ない。
● 訪問看護利用群は非利用群と比べ、1年間の入院回数には差がないが、
入院した場合の入院日数には2週間以上の差があった。
など、データ的に見ても訪問看護師の有効性がはっきり!
あらためて私たちの存在意義が立証されたのでした〜♪
出典:令和2年度厚生労働省老人保健事業推進費等補助金老人保健健康増進等事業 要介護高齢者等に対する看護介入に
よる効果検証事業報告書
URL: http://www.adng.m.u-tokyo.ac.jp/image/R2_%20elderlyhealth%20service_report.pdf
後半「スタッフのケアの質維持、向上にむけて実施していることは?」
「ケアの質評価/改善にはどんなサポートが事業所にとって有用か?」をグループディスカッション。
東海北陸ブロック山下さんのグループでは
心理的安全性というものをちゃんと意識し行動すること。
関東ブロック島村さんのグループでは
研修実習生や外部の違う視点からの意見を聞いて、刺激を受けることは有効。
南関東ブロック櫛原さんのグループでは
みんなでマニュアルを作ったり、アドバイザー事業を利用しその分析をみんなでディスカッション。
東海北陸ブロック川口さんのグループでは
管理者に話せないこともあるから、コンサルできる外部から入ってもらうのもいいのでは。
中四国ブロック尾崎さんのグループでは
病院内カンファレンスで、病理映像把握や発言を通し意識向上に繋げている。
自分で考えることができる管理者の育成に注力している。
などなど、さすが!認定看護師の方々の的を射た意見に
「ケアの質から入るというよりも、スタッフとのコミュニケーションや、
他職種、他部署さんとの連携をとても大切にしているんだなと解りました。
また、改めて理念やビジョンが重要で、積極的に事例検討の機会をつくり
意見が言いやすい環境、心理的安定性を大事にしているということも解りました」と角川氏も感心。
そして、ケアの質を整えていくための「アンドラゴジー(大人の自立した学習)」を紹介し
「その活動がしたいからする」という内発的動機付けのヒントとなる3つのキーワードや
この秋発足予定のステーション管理者を対象とした、事業所全体の看護実践と成果を可視化する、
オンライン上のプラットフォームを準備しているそうです。
詳細がわかりしだい、協議会のホームページでもお知らせさせていただこうと思います。
「将来的には、日々のカルテをつけていれば自動的にケアの質までも評価できるシステムが
望ましいと考えています。しかし、今のところは定期的に、例えば月に1回、半年に1回、年に1回など
時期を決めてケアの質を継続的に評価していくことが、重要なのかなと考えています」と角川氏。
閉会のあいさつは野崎監事から、
「みなさん長時間に渡りありがとうございました。
来年10周年は、顔を合わせ、握手して笑い合える会を目指しています」と締めくくりました。
「交流会2022」は、12月10日㈯、会場とZoomのハイブリット形式で開催予定です!
みなさん、カレンダーに予定を入れておきましょう〜♪
アンケートにご協力ありがとうございました!
研修会終了直後のアンケート結果では
「参考になった」~「とても参考になった」と回答した方が、
久田さんによる更新申請情報提供では100%!
角川由香氏の講演では98%!
ほぼ全員から高評価を頂きました。
また様々なご感想もたくさん頂戴しましたので、どうぞぜひチェックしてくださいね!