6/8㈯ 2024年度「第11期定時総会&同時開催研修会」
をレポート!
いよいよ私たち協議会は第11期に突入しましたー!
この春、原宿表参道の日本訪問看護財団会議室には大橋代表、廣川副代表をはじめ
平野理事、松下理事、山崎理事、豊田理事、認定更新情報提供の西山さん、議事録署名人の田端さん、
総勢8名が配信スタッフとして集結。
総会議案はすべて満場一致で可決された後、西山さんによる認定更新申請情報、
野崎監事によるハラスメント研修会、グループワーク意見交換と、密度の濃い2時間半を共有。
その現場をレポート!
午前10時。
「一般社団法人日本訪問看護認定看護師協議会定時総会を開催いたします。
はじめに代表理事の大橋からごあいさつを申し上げます」と総合司会の松下理事。
「みなさま、土曜日の朝10時からほんとうにありがとうございます。
いつもながらですけれど…みなさん起きてますかあ〜!?
いきますよーーー!!!『こ~んに~ちは~♪』目覚めましたかぁ?(笑)
2024年度第11期一般社団法人日本訪問看護認定看護師協議会の総会にご参加ありがとうございます。
今後、訪問看護認定看護師の養成機関としては聖路加が唯一残ることになりそうです。
わたしたちが学んできた中で、これからも発展し続けるためにはどうしていくべきか?を、
訪問看護認定看護師、在宅ケア認定看護師のみなさんといっしょになって、
繋がって、広がって、発展していきたい!と思います。
これは会員のみなさまのご尽力の賜物だと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします」
と大橋代表のあいさつ。
「オンライン出席者49名、委任状が179名、合計236名の参加をいただいておりますので、
本総会は成立していることをご報告いたします」と松下理事。
その後、大橋代表による議事進行で、廣川副代表が2023年度事業報告&収支決算報告。
野崎監事の監査報告と続いて
・第1号議案/第11期事業計画案
・第2号議案/第11期収支予算案
・第3号議案/役員改選案、
・第4号議案/定款一部改訂案 とすべて満場一致で可決、承認されました。
その後、北関東ブロックの山崎理事に司会をバトンタッチ。
「ここからは研修会を開催いたします。では最初に、認定更新申請の情報提供を、
北関東ブロック西山めぐみさんからいただきます。西山さん、よろしくお願いいたします」と山崎理事。
西山めぐみさん登場!!
「初めての更新は不安しかありませんでした!
『WEBでの申請を間違いなくできるか?!』
『自己研鑽ポイントを貯められるのか?!』
『実践報告はどんな内容にしたらよいのか?!』
そしてその不安を減らすため、認定資格取得直後から少しづつ準備を開始しました」と。
ス、スゴイ( ゚д゚)…つまり5年前から準備してきたってことですかー?!
そして更新2年前には、同期の仲間で勉強会を企画開催。
自分ひとりでなく、仲間で協力し合って取り組もうと思った西山さん。
確かに、認定取得した同期の仲間が集まって力を合わせたら、どんな困難も乗り越えられますネ!
実践報告書など、途中や最終段階で仲間に送って、意見を聞くのはもちろん、
誤字脱字がないか?までチェックし合って、完成度UPをめざしたことが最大の要因です。
そして「振り返ってみると、この5年間で自分の実践が変化してきいることに気がつき、
認定看護師として少し成長できたなって思う」と最後に感想を述べた西山さん。
そのノウハウを惜しみなく公開していただきました。
その動画と配布資料は会員ページで公開しています。どうぞログインしてご覧ください。
「引き続き『働きやすい職場作りへの挑戦』と題しまして、
当協議会監事でもいらっしゃいます野崎加世子氏からご講演いただきます」と山崎理事。
野崎監事は30年間勤めた看護協会のステーションを定年退職した後、
現在は地域のコミュニティナースとしてさまざまな相談に応じたり、
病院の訪問看護ステーション在宅事業に在籍する傍ら、
飛騨市からの要請を受けて障害児を地域サービスにつなげる研究など、
ますます活躍の場を広げ、新たな挑戦をされています。
今回の同時開催研修会は、そんな豊富な経験を持つ野崎監事から
“働きやすい職場でみんなが生き生きと働けるにはどうしたらいいか?”について、ご教示いただきました。
「最近注目されてきたセクハラとかパワハラは、ある程度国の方針で『ここは注意しなさい!』
ってことがあるけど、カスタマーハラスメントに対してはまだまだ、法的整備が整っていないと感じる」と。
・お茶を出してもらって飲んだところ、睡眠薬が入っていて、フラフラになりながら必死で家から出た案件
・大声を発し怒鳴られたり、「このくらいできて当然でしょう」とサービスを要求される精神的暴力
・80代を介護してる息子さんが若い看護師が在宅中にわざと性的ビデオをつけるなどの性的嫌がらせ
など、カスハラの事例をいくつか紹介。
そしてそういったカスハラを受けた際、事務所側にしてほしかった対応を聞いたアンケートでは、
・今後の対応について明確に示してほしかった
・複数名で訪問するような体制をとってほしかった
・「今後はこうするね」っていう話し合う場がほしかった
・他の機関や事業所と情報交換がしたかった
・訪問の契約を打ち切ってほしい…などとといった意見がありました。
真面目な職員ほど落ち込みが強く、管理者から『そういうこと、あるから…』
っていう何気ない言葉で、傷ついて辞めようと思ったり、
管理者が『どこからを暴力として扱えばいいのか?』と悩んで2〜3ヶ月経つうちに
『ちゃんとした対応してもらえなかった』と悩む職員も多いと。
病状の進行に伴う暴力の対応には限界があり、そういう暴力防止のための組織作りの難しさと、
また診療報酬改定で複数訪問が認められても、それを悪用するところがあるため、
複数訪問には壁がある」と野崎監事。
そして野崎監事自ら経験した、契約解除を考えざるを得ない事例とその難しさについて
・5分遅れで訪問した際、利用者さんのご主人から受けた暴力行為と事務所スタッフの前で泣いた事案
・「お前のような無能は看護師はいらない!2度と来るな!」と言われ、3年目の看護師が自信をなくした事案
・SNSで誹謗中傷を書かれ、医師、弁護士、警察…周りと協力して契約解除をソフトランディングさせた事案
といった実例を挙げて、
「その対策として契約の際、重要事項説明書にサービスの目的、範囲および方法に対して
十分な説明を行い、ご本人ご家族に理解していただくこと。
そして解除に至らないようまず努力するけれど、利用者の不利益性の程度を勘案して
具体的に、暴力ハラスメント行為に対して明文化しておくことが大切です。
そして、ご本人ご家族が故意または重大な過失により、事業所もしくは担当看護師などの
生命心身信用などを傷つけ、また著しい不審行為を行った場合、また行うことが予想される場合は、
直ちに契約を解除するという文言も必要です」と。
「また管理者は、担当看護師から、状況をまず良く聞いて分析すると同時に、
『つらかったね! 大変やったね!』と声をかけ、その思いを聞いてあげる。
弁護士さんがいる場合は弁護士に、組織の他機関、他職種へ報告して
『どう対応したらいいのか?』を相談することも必要です」とのことです。
大きな問題になる前に、なるべく早く問題解決へのアクションを起こすってやっぱり鉄則ですネ!
次は職場におけるパワーハラスメントについて、衝動をコントロールする有名な方法を提案。
「パワハラにならない指導のポイントは、叱る前、ひと呼吸おくこと。
“かっ!となったときの6秒間ルール”というアンガーマネジメントの基本です。
6秒間深呼吸し、冷静に『何を注意するのか?』指導に必要な具体的な行動に焦点を当てる。
『前もあなたなそうだったわよね』なんて言うと『また前のことを持ち出して』ってことになります」と。
性格や人格の否定は絶対ダメダメ。パワハラとなる可能性も…
頭の片隅に入れておきましょうネ!
そして「いろいろ話してきましたが、持続可能な事業所運営のためには、
更新認定情報してくれた西山さんが同期の仲間で協力したように、
認定同士でお互いに情報交換することはとても重要」と野崎監事。
「こういうときどうしてました?」と、いろんな人の話を聞いておくこと。
「あらかじめいろんなリスクを想定しておき、いざというときに落ち着いて対応することです。
小さなリスクを見逃さず、大きな事故に繋がらないようにすることです」と。
そして「職員が安心安全に働き続けることが、持続可能なステーションづくりに繋がる道です。
これからも働きやすいステーションへの挑戦をしていただきたい!
自分もどこに行ってもチャレンジしていきたい!」と熱いメッセージで講義終了です。
後半は、グループワークで意見交換、その後3グループの代表から発表してもらいました。
豊倉睦美さん
「難しいケースがたくさん出ました。訪問看護に対する利用者のニーズが高く、
それに応えてくれない!っていう訴えが、どんどんエスカレートしてくるケースや、
利用者から暴言暴力を振るわれるケースだったり、またこれ私なんですけれど…
認知症の家族に『訪問看護師が物を取っていく』と言われ、近隣に言いふらされたことがあって、
地域ケア会議を開いて認知症について理解してもらい、解決できたことがありました。
あとはセクハラですね。若いナースに対してセクハラが入るとどんどんエスカレートしていきます。
男性ナースに切り替えるとか、他のステーションに引き継いでもらって、
いずれも契約終了になっていってるんですけど、終了の伝え方で、
どのように説明したらいいのか?が非常に難しい」
これを受けて野崎監事は、
「私もその終了のときって難しいなというふうに思います。
先ほどの事例にあった、SNSに投稿した利用者さんの場合、いろいろ相談して医師から
『あなたはもう自分でいろんなこともできるし、薬の調整は病院に来るとして、
僕はあなたの病状ではもう訪問看護への指示書が書けないからね。
訪問看護へ指示できないってことは、来てもらえないですよ』って言ってくださったんですよ。
終了のときに納得してないから、SNSに書いたりするワケなので、
『こういうふうだから終了ってことで、よろしいですよね?』とお互いの合意が必要。
ケアマネージャー、包括、ドクターが『お話を聞いたのでもう指示書は書けない』とか、
『次のところなら書けるよ』と言ってもらえるよう…みんなを巻き込まないと難しいと思う」と。
和田由香里さん
「私のグループは40〜60代の方が主だったので『まず触られても我慢する世代だったよね』
という共通認識のもと、今の世代はキャパシティ的に『ちょっと耐えがたい…』
その受け取り方の違いは感じるところがあるよね。逆にそういったセクハラ報告を受けた際、
自分が話したことが『ハラスメントになっていないか?』と心配になるという意見がありました。
採血がうまくいかなくて『もう来ないで!』といわれたスタッフがいて、
その人にまた会うことができれば『また私に行かせてください!』っていう、
本人の成長に結び付けられるチャンスはあったんだけれど…そこが抜けてしまって
『その子が感じた悔しさに、一緒に触れてあげられなかったんじゃないか?』と、
話してくださった方がいましたが、スタッフは悩んでることがあったら聞いてほしいし、
自分も何かあったときには聞いてほしいなと思います。
グループに野崎さんがいらっしゃったので、専門機関への連携について、
『労働基準監督署や弁護士さん、市の担当者の方にも連絡を何度も取ったし、
そこで話がうまくいかないなんてこともあって、厚労省に電話したことがあるという話や、
やっぱり専門機関に相談することって大事だし、地域では包括支援センターとかに報告しながら、
その場面に応じて、精神科や精神保健師につないでもらって解決できた』といったような話を
野崎さんからざっくばらんに聞くことができ、中身の濃い話ができました」
堤風馬さん
「最初に『こうやってみんなで集まってハラスメントについて話す機会があって良かった! 安心した!』
との声がありました。“ハラスメント委員会”を作らなくてはと、いろいろやってはいますが、
上がってきたときには結構大きな問題になってるケースが多く、
問題の発端である小さな事象を抽出することってとても難しいです。
相談を受けたら、外部を巻き込みながら…というところでは、弁護士に相談し警告文をつくってやってる方から
『同じことをズルズル引きずらない』っていう考えを聞いて、その通りだなと思いました。
精神の利用者さん、妄想なんですけど『包丁持って刺す準備をしてる、助けに来てくれ』と、
何回も電話をかけてくるケースがあって、大橋さんのところに実習行った際に相談したら
『案外一緒のテンションでいってもいいよ!』とアドバイスをもらったので、
『もう、うちそんな包丁を持ったところに出させられませんって!
そんなんだったらもう警察呼びますよ!』と言ったら、
『包丁見直しましたので…』と案外冷静になって態度が変わりました。
ふつう相手がこぼして、こっちは冷静に対応が多いけど、 同じテンションでいくと逆に相手は冷静になる。
『そういったコミュニケーションの取り方もあるんだ!』と改めて勉強することも必要だと思いました」
「グループワークで本当にいろいろな話ができたんですね!
『どこか相談するところがあったら…』っていうことですが…
みなさん、訪問看護認定看護師協議会サイトにご相談窓口があるのをご存じですか?
そこに相談を書き込んでもらうと、担当理事の私たちがそれに対してメールで返すことをやっています。
パワハラの相談などでも、活用していただければと思っています。
ことが大きくなる前に、火種の時に『実はこんなことがあってつらかった…』と、
朝のカンファレンスでも、会議でも、お昼ご飯食べてるときでも、気軽に言えるような
風通しのいい職場になっているといいなって思いました。発表してくださってありがとうございます」
と野崎監事。
最後に廣川副代表から
「全国各地でいろんなことが起こっている中、日々走りながら、さまざまな苦難に遭いながらも、
地域を支えてらっしゃるみなさんですが、こういった会を持って、情報を共有し
お互いの力になっていけたらと思っています。
そして地域の仲間を増やし、笑顔で楽しく働けるようにガンバっていきましょう!
今年度もいろんなブロック活動や研修等に参加して、ネットワークを強固に築いていただきたいと思います。
これをもちまして、令和6年度定時総会・同時開催研修会を閉会させていただきます。
みなさんお元気でまたお過ごしください!」と閉会のあいさつ。
“ハラスメント”という大きなテーマは、問題解決への明快な答えが見いだせないからこそ、
協議会メンバー同士の情報交換は、なにものにも代え難く、とても貴重なんだと改めて実感です。
きっと私たち仲間の中には、さまざまなハラスメントをその状況に応じてソフトランディングさせて
解決できた経験を持つメンバーがいらっしゃるかと思いますので、交流会などで
「こういうときどうしてました?」コミュニケーションをどんどんしていきましょう!
そしてスタッフを守る契約書の見直し、労働環境整備を通じて、
働きやすい、生きがいのある職場づくりに挑戦してまいりましょうーーー!!!
今こそ私たち在宅ケア、訪問看護サービスが地域医療を変える、そんな誇らしい時代が
目の前に来ていて、こういった問題をクリアしていくことで、
時代を変えるチャンスが訪れるのかもしれませんネ。
サイトの“ご相談窓口”へのご相談も受け付けています。どうぞご利用ください。
その他配信現場をフォトシューティング!!!
アンケートにご協力ありがとうございました!
参加者全員が参考になった野崎監事の『働きやすい職場づくりへの挑戦』、そして『認定看護師更新申請の情報』も98%が参考になったという集計結果と、たくさんの声を寄せていただきました。全9ページに渡って自由記載は校正せず、回答されたそのままを掲載させていただきました。どうぞご覧ください。