日本訪問看護認定看護師協議会

11/25㈯ 南関東ブロック
『第3回看取りを考える会』を開催!

実施日時:2023年11月25日㈯
     9:00~10:30
開催方法:Zoomミーティング
参加者数:12名
エリア内訳:神奈川5名(三橋/川瀬/ 豊田/ 阿部/ 飯島)
      山梨1名(齊藤)
      長野6名(櫛原/田中/伊藤/徳重/白柳/柗沢)

今年度南関東ブロック交流会は『看取りを考える会』と題し、
「看取りをもっと深掘りしたい!」と定期的に継続して開催。
その第3回目! 看取り事例検討会では、
たった5日間しか関わることができなかった事例を取り上げ、これについて意見交換しました。
最近、こういった突然のケースが増加しており、とても参考になるケースでした。
参加者同士、自由に意見交換した様子をご紹介します。

事例発表後の“質問タイム”で
Q. 緊急時、訪問看護と訪問診療 とどちらにも連絡できるようになっていたのでしょうか?
A. 長女と訪問診療医が知り合いだったこともあり、先生も「いつでも連絡してください」と
  声をかけており、初めから信頼関係が築けていたと思います。

Q. 一人のナースが5日間すべての訪問を担当したのですか?
A. 通常であれば他スタッフとともに行うところ、あまりにも容体が急速に変化していく中、
  特にお孫さんのフォローが必要と感じ、信頼関係をできるだけ早期に構築する必要があると判断し、
  事業所内には周知し全員が情報共有しながら、一人のナースが担当しました。

Q. 5日間くらいの余命だと予測できましたか?
A. 「早いかもしれない…」という思いはありました。

Q. とても良い展開をされていますが、認定看護師としての事例提供者の技でしょうか?
A. 技かどうかわからないけど、自身がいつも心がけている看護を展開させてもらいました。

そして参加者からさまざまな意見が寄せられました。
・家族の不安を分析し、ケアに取りかかることはとても重要ですね。
・家族の表情を観察し、具体的に言葉にして尋ね確認しながら、相互関係を築いていくことが必要だと思った。
・考えられる容体の変化を、あらかじめきちんと説明しておくことも大切。
・家族の力を高めるためのケアもとても必要。そのために家族の力を見極めることが肝心。
・ご家族や本人からの電話連絡があった場合、『訪問する』か『見守る』か、とても悩ましい。
 看取るために自宅に戻ったはずなのに、家族が覚悟をしていないことも。
 パンフレットを用いて死について説明し、現状確認と今後訪れることを認識してもらうことが大切。
 訪問看護が入っても死は止められない。しっかり準備教育がなされていると、
 亡くなってからご連絡を受けることも多いです。

 訪問しなくても、家族が乗り越えられるよう死の準備教育を充実させること。
 「最期の時間を家族でじっくり過ごしてほしい」と訪問看護からお伝えすることも大切だと思う。

ここで再度、参加者から質問がたくさん寄せられました!!
Q. お看取りの後、ご家族からどのような声をいただきましたか?
A. 「死をきちんと伝えてくれたので、最後に家族でいい時間を過ごせた」 という声がほとんど。
  もちろん、状況によって訪問するケースもありますが、そこは、きちんと分析して行きます。

Q. こういったケアについて地域の方はご存知なのでしょうか?
A. わかりません。

Q. スタッフへの教育はどうしてますか?
A.「家族が死をどう受け止めているか?」観察し考えてもらったり、
  看取りパンフレットを見ながらいっしょに考えたりしています。

Q. 看取りのパンフレットはどのようなものを使っていますか?
A. 会社で作成したものや、OPTIM(緩和ケア普及のための地域プロジェクト)のパンフレットなどを用い、
  より具体的な時間で伝えるようにしています。
A. OPTIMのものは詳細に書かれているので活用しています。
A. OPTIMにプラスいろいろな情報や、解りやすいイラストを付け加えたパンフレットを作成して
  説明しています。

そしてここでまたまた、参加者から質問が!
Q. 「どこまで看護師が言ってもいいのか?」が理解できていないスタッフに対してどうされてますか?
A. 参考資料を作っていく過程も、学びになるのかもしれないです。
A. 一人でやろうとせず、医師との連携で「こんなパンフレットを使っている」とか、
 「次回はここまで話をして来ようと思うのだが、先生はどう思われますか?」といった
  情報共有も必要かもしれません。
A. スタッフ(訪問看護師)には、一般論としての基本的なことは伝えてもらい、
  ご家族へはリーフレットで説明したことを医師にも伝え、最後は所長として
 「私が責任取るから、勇気を持ってやってみましょう!」と伝えています。
  また実践してこなかった場合、「なんでやって来れなかったのか?」 を聴きサポートします。

Q. この事例のように『血が出ちゃった、血便出ちゃった』は看護師としては想定内でも、
  家族としては想定外のことが生じたときの対応は?
A. 想定外のことが起きたときは、主治医にも協力してもらって、
  今後のことや再入院した場合のことなどを説明しておく。
A. 緩和ケア病棟への入院などは、今からでは間に合わないので、
  退院時に、そういった話をしないケースも含め、どこまで話されているか?の確認は必要。
A. 退院に至ったケースの状況確認は必須。MSW(医療ソーシャルワーカー)さんなどから、
  病棟での状況がうかがえるといいと思います。
A. 在宅は病院と異なり対応が遅くなることもあり、それを防ぐためにも早め早めの対応が必要。

そして今回の事例検討会を総括して…
◇ 緊急時は、取り合えずすぐに行けばいいと考えていたが、家族だけの時間もとても大切。
  そこを意識した訪問看護の提案ができているケースで、とても勉強になった。
死の準備教育の大切さを学んだ。家族の不安をしっかりと分析し、早め早めの対応が大切。
  あらためて継続看護、他職種との連携、医師との連携が大切だと感じた。
5日間という短期間にも関わらず、的確迅速な対応で在宅看取りまで持っていけたのはスゴイ!
◇ 自分が心配だからすぐに訪問してしまうが、
家族の時間や家族の力を考え、伝えていきたい。
  以前ケアマネから「家族は入院させたかったみたい」と言われ、辛い思いをしたことがあった。
◇ ステーション経営の視点だと、訪問したほうが助かる。
  でも「看取りは誰のためか?」考えることも大切だと再認識した。

多岐に渡ってざっくばらんに意見交換して、
明日からの実践活動に自信を持たせてくれた交流会でした。

事例提供者さん、司会者さん、ありがとうございましたー!
参加されたみなさま、ほんとうにありがとうございましたーー!!


今後の予定です。
1月20日㈯、南関東ブロック第2回研修会『看取りの事例検討会』を開催!
 詳細が決まりましたらお知らせします。
2月17日㈯ 13:30~(時間は予定)第4回南関東ブロック交流会『看取りを考える会』実施!


いっしょに学びましょう!(*゚▽゚*)/
みなさまのご参加をお待ちしております~♪

南関東ブロック 三橋由佳

JVNCNA事務局
tel:03-5778-7008
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